退院してから、電車に乗るのが本当に大変でした。
特に駅に着いて降りた瞬間。
必ずと言っていいほど立ちくらみを起こしました。
だから座っていたい。
本当にそう思っていました。
そんな時、ヘルプマークというものを知りました。
配布場所を調べてもらい、受け取りに行きました。
制度としては、とてもありがたいものです。
でも、私はすぐには使えませんでした。
理由は単純です。
見た目が普通だったからです。
腕を失っているわけでもない。
車いすでもない。
普通に歩いているように見える。
そんな自分がヘルプマークを出していいのだろうか。
そんな気持ちがありました。
少し恥ずかしいという思いもあったのかもしれません。
だから普段はカバンにしまったまま。
どうしても座りたい時だけ、そっと見えるようにしていました。
今思えば、もっと遠慮しなくてもよかったのかもしれません。
あれは「優先的に座るための札」ではなく、
「外からは分からない事情があります」という小さなサインなのですから。
でも、その頃の私はまだ、
「自分は障害者なんだ」
という現実を、完全には受け入れられていなかったのだと思います。

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