また胸を開くのか

診察室を出た後も、

私はしばらく現実感がありませんでした。


手術が必要。

しかも二回。


頭では理解しているつもりでした。


でも気持ちは追いついていませんでした。


急性大動脈解離の時は違いました。


考える時間がなかったのです。


救急車で運ばれ、

気が付けば手術でした。


怖いと思う余裕もありませんでした。


でも今回は違います。


手術を受ける前から、

何が待っているのか知っています。


ICU。

痛み。

思うように動かない体。


そして退院した後も、

元通りには戻らなかった日々。


私はそれを全部知っています。


だからこそ、

「また手術」

という言葉が重く感じました。


また胸を開くのか。


そんなことを考えていました。


もちろん、

手術を受けなければならないことも理解しています。


受けないという選択肢がないことも分かっていました。


それでも、

素直に受け入れられるほど強くはありませんでした。


あの頃の私は、

ただ呆然としていたような気がします。

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