手術の後、
私の体にはドレーンが入っていました。
全部で三本。
胸から体の外へ出ている管を見るたびに、
「まだこんな状態なんだ。」
と思っていました。
ドレーンは、
一度に全部抜けるわけではありません。
排液が少なくなったものから、
一本ずつ抜いていきます。
だから、
毎日、
「今日は抜けるかな。」
そんなことを考えていました。
でも、
思うようにはいきません。
一本抜けても、
まだ二本。
二本抜けても、
最後の一本が残ります。
私の中では、
ドレーンが全部抜けて、
ようやく退院が見えてくる。
そんな感覚でした。
そして、
ドレーンを抜く瞬間も忘れられません。
痛いというより、
何とも言えない感覚です。
体の中から、
長い管がスーッと抜けていく。
今まで経験したことのない、
不思議な感覚でした。
最後の一本が抜けた時、
私はようやく、
退院が近づいてきたことを実感しました。

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