退院した頃の私は、
「少しずつ元の生活に戻れるだろう」
と思っていました。
もちろん病気になる前と全く同じとは考えていません。
それでも、もっと普通に動けると思っていました。
ところが現実は違いました。
電車に乗るだけで疲れるのです。
駅に着き、電車を降りる。
すると立ちくらみが起きる。
それも一度や二度ではありません。
何度もです。
だから自然と電車に乗ることを避けるようになりました。
乗れないわけではありません。
でも、明らかに以前とは違いました。
手術から3か月後、私は会社へ復帰しました。
久しぶりの出社です。
ところが会社へ着いた時点で、すでに疲れていました。
そして少しすると座りたくなる。
体力が続かないのです。
病気になる前の私は、それが当たり前ではありませんでした。
通勤して。
仕事をして。
帰宅する。
そんな生活を何十年も続けていました。
でも、その頃の私は違いました。
自分では頑張ろうとしているのに、体がついてこない。
それが一番つらかったように思います。
幸い、その後は在宅勤務が中心になりました。
だから電車に乗る機会も減りました。
少しずつ体も回復していきました。
それでも、この状態は数週間では終わりませんでした。
半年近く続いた記憶があります。
病院を退院した時、
私は「治った」と思っていました。
でも実際には違いました。
退院はゴールではなく、本当の意味での回復のスタートだったのです。

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