障害者手帳を取得してから、タクシー補助を利用するようになりました。
私の住んでいる区では、身体障害者に対してタクシー利用の補助がありました。
私もその制度を利用していました。
制度そのものは、とてもありがたいものでした。
体力が落ちていた私にとって、電車よりタクシーの方が楽なことも少なくありませんでした。
でも、実際に利用してみると少し戸惑うことがありました。
タクシーを降りる時です。
私は毎回こう言わなければなりませんでした。
「身体障害者なので、割引をお願いします。」
そして、
「この補助券も使います。」
今思えば、ごく普通の手続きです。
運転手さんも慣れていたと思います。
何も悪いことをしているわけではありません。
それでも、当時の私は少し苦手でした。
なぜなら、その言葉を口にするたびに、
「自分は身体障害者なんだ」
と改めて意識してしまうからです。
ヘルプマークを出すことに抵抗があった頃と同じです。
制度はありがたい。
利用する権利もある。
頭では分かっています。
でも気持ちが追いついていませんでした。
病気になったことは受け入れていました。
手術を受けたことも事実です。
障害者手帳も持っています。
それでも、
「私は身体障害者です。」
という言葉だけは、なかなか自分の中に馴染みませんでした。
もちろん、時間が経つにつれて考え方は変わっていきます。
制度は遠慮するものではなく、必要な人が利用するためにある。
今ならそう思います。
でも当時の私は違いました。
タクシーを降りるたびに、
「身体障害者なので……」
と少しだけ言いづらさを感じていたのです。

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