犬を迎えたからといって、すぐに散歩へ行けるわけではありませんでした。
当時の私は知りませんでしたが、
子犬にはワクチンの関係もあり、すぐには外を歩かせられない時期があります。
でも一方で、
社会化も大切だと言われました。
人。
犬。
車。
自転車。
いろいろな音や匂い。
子犬のうちに経験しておいた方が良いらしいのです。
そこで私たちは、
抱っこして外へ連れて行くようになりました。
近所を少し歩く。
公園まで行ってみる。
車の音を聞かせる。
今思えば散歩というより、
社会見学のようなものだったと思います。
そして、その頃から病院が開催していた子犬向けの保育園にも通わせるようになりました。
土日だけ開催されるものでした。
最初は少し不安でした。
まだ小さな子犬です。
他の犬たちと仲良くできるのだろうか。
でも実際には、
私たちの心配の方が大きかったような気がします。
子犬は子犬なりに、
ちゃんと社会を学んでいました。
今振り返ると不思議です。
私は病気から回復する途中でした。
体力もまだ十分ではありません。
以前のようには動けませんでした。
一方で、
犬もまた社会へ出る準備をしていました。
私は復職へ向けて。
犬は散歩デビューへ向けて。
当時はそんなこと考えていませんでした。
でも今思うと、
あの頃の私たちは似たような立場だったのかもしれません。
二人とも、
少しずつ新しい世界に慣れようとしていたのです。

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