目が覚めた時、
口には管が入っていました。
苦しい。
とにかく苦しい。
何とかして、
この管を抜いてほしい。
そう思いました。
でも、
両手はベッドに固定されていました。
自分で抜くことはできません。
看護師さんが声を掛けてくれます。
「大丈夫ですか?」
「どこか痛いところはありますか?」
私はうなずきました。
すると、
「どこが痛いの?」
と聞かれます。
私は首を横に振ります。
痛いんじゃない。
苦しいんです。
お願いだから、
この管を抜いてください。
そう伝えようとするのですが、
口には管が入っていて、
話すことはできません。
看護師さんは、
「もうすぐ先生が来て管を抜きますからね。」
「もう少し頑張ってくださいね。」
そう言ってくれました。
そのやり取りを、
何度も繰り返した記憶があります。
当時の私は、
「しゃべれないんだから、伝わるわけないじゃないか。」
そう思っていました。
でも今になって思うのです。
きっと看護師さんは、
私が何を伝えたいのか分かっていたのでしょう。
それでも、
先生が来るまでは抜くことはできない。
だから、
少しでも自分で呼吸ができるよう、
励まし続けてくれていたのだと思います。
あの時は、
ただ苦しいだけでした。
でも今振り返ると、
あれも私を助けるために必要な時間だったのだと思います。

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