急性大動脈解離で倒れる前。
私は約五年間、
お酒を一滴も飲んでいませんでした。
健康のためです。
食事にも気を付け、
運動もしていました。
体力をつけよう。
健康でいよう。
そんなことを考えながら、
毎日を過ごしていました。
ところが、
急性大動脈解離で倒れ、
緊急手術を受けました。
さらに翌年には、
上行大動脈瘤と下行大動脈瘤の手術。
「ここまで気を付けていたのに。」
その気持ちは、
正直ありました。
もちろん、
節制が無意味だったとは思っていません。
もし何もしていなかったら、
もっと早く悪くなっていたのかもしれません。
それは誰にも分かりません。
でも当時の私は、
そんなふうに考える余裕はありませんでした。
「あれだけ我慢してきたのに。」
「結局こうなるんだったら。」
そんな気持ちが、
少しずつ大きくなっていきました。
退院した頃からでしょうか。
私は、
以前ほど食事を我慢しなくなりました。
病院では、
YouTubeで二郎系ラーメンの動画ばかり見ていました。
「退院したら食べたいな。」
そんなことばかり考えていたのを覚えています。
あの頃の私は、
健康を諦めたわけではありません。
ただ、
「我慢ばかりの人生は、もういいかな。」
そう思うようになっていました。


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